「ほっ」と。キャンペーン

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雨が降っていて

冷蔵庫に、少しだけ苺が余っていた

本当に、ただ、それだけのこと


コンロ下の棚から―何て名前だったか―カラメルを作ったりするときに使う、小さな小さな鍋を取り出す。
これを使うのはいつ以来だろうか・・・・・・いや、もしかすると引越してから初めてかもしれない。

確かめるように・・・・・・一体何を確かめようとしているのかもわからず、手の中でその小さな鍋を数回ゆする。

なぜだか顔がほころぶ。

そうだジャムを作ろう

まるで今思いついたかのように、声に出さずに呟いてみる。
そうだジャムを作ろう。

苺を軽く洗って、ヘタを取る・・・・・・いや・・・・・・・
包丁を取り出して苺の頭・・・・・・頭でいいのだろうか? 切り落とす。

手でちぎってもいいのだけど、いいのだけれども
僅かに残る、緑色の突起が気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって
包丁で苺の頭を切り落とす

最上級の苦笑いをしながら

苦笑はいつだって平和の象徴だ
ようやく、今日、自分の、機嫌が良いことを、知る

鍋に転がすように苺を並べ、ほんの少しだけの水を

持ち上げ、手で押さえながら鍋の中の水を捨てる
確かあったはずだ

確かに確かに確かに確かに
冷蔵庫のドア、最下段、未開栓のペリエ

微笑8嘲笑2
栓を捻ると軽く空気が抜ける レモンの香り 冷蔵庫の唸り スーパーのレジの色 あのときの喧騒 3年前の憎悪 メトロノーム リノリウムの床 中二階 分解されたスピーカー あとはもっと雑多な何かと 何かわからない何か

鍋に少しペリエを注ぐ、残りは乾いた喉を通って胃を通って十二指腸を小腸を大腸を通って、そのまた残りはもう一度冷蔵庫へ きっと明日には、もうあなたはいないのね

コンロ着地躊躇なく点火

それでも手は迷う

中火弱火中火弱火中火弱火中火弱火中火弱火中火弱火
コンポートという魅力的に誘惑的に困惑気味に薄気味悪い選択肢

弱火

切り刻んだ上に熱湯に泳がせてさらにさらに叩き潰すなんて!
ああ、それならもう少しペリエ
こぽん
ちょっと足して

さてさて目指すべき着地点への分岐点はこの時点であと一点

アメリカンハードコアポルノを連想させる白人至上主義の豊満さ
どこまでもどこまでもたおやかでお上品で清楚で陶器のように透き通る肌を汚す興奮

信仰と苦笑の様に 時間と完璧な一皿の様に 想像と混乱の様に
食欲と性欲はお互いがお互いの完璧な比喩関係として機能する
なんて素晴らしい愛の行方!

精神的に完全に歌う、歌う、歌う!
「和三盆糖をわざわざ足でどけて―もちろんその袋が荒縄でぐるぐるぐるぐるぐる巻きにされてるのは説明するまでもな「グラニュー糖の袋に手を無造作に「乱暴に「あるいはもっとも愛に近い形で突っ込「もう少し抵抗してもいいんじゃないの?「またまた苦笑7微笑2恍惚「そして袋が裂けるよう「絶対に裂けない「確信「掴んだ愛を地獄に投げ込む。」

あとは塩をほんの一つまみ
これでおしまい

さて、ここから先 この鍋に手を触れることは完成度を落とすだけの愚行


ここで花柄ワンピースレースフリフリタケモトノバラベイビースターダストシャインブライトの子なら紅茶と読書という鉄板鉄壁鉄郎鉄拳鉄道などこかで数百数千数万回繰り返されている行為/ポーズ/コスプレ/スタイル/演技に没頭できるのでしょう

ところがぎっちょん、何かを気にしながら読書が出来るほど不感症/不誠実/不愉快/不同体な精神構造が出来てはいなくてよ、ごめんあそばせ。
問題は不感症な/不誠実な/不愉快な/不同体なメンタル面に対しての果てしない憧れ!
そうなりたくて結果・貴族的に/有閑的に/乞食的に成長してしまった自分が憎いと同時に愛しくもある。ああ、なんという明確で羞恥すべき自己愛!

くぽわん くぽわん くぽわん
粘性をまとった揺るやかな沸騰

そう今こそダンスミュージック
テクノでもジャズでもロックでもクラシックでもJPOPでも演歌でも環境音楽でも何でも来い、そう湧き上がるコンポートと我が血潮、踊る事に理由も音も体もいらぬ
神がかりとしか呼べないこのサーb
じょしゅう

吹き零れるシロップにターンテーブルは強制停止っ

火火火が強すぎ強すぎたのかしらららららら

らららららららららららららららららららー

よくよく見れば既に完成形として鎮座するその苺
あとはゆっくりゆっくり結晶をつくるように冷やして冷やせば出来上がり







そしてその夜 家にパンがないことに 気がつく
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by HALinNT | 2009-03-08 01:36 |
「これでも」
と彼女は言った

「これでも昔は冷静でクールだったのよ」


僕は大げさに頷く「わかるさ」
どうもそこを含めても僕と君はよく似ている様だ

少なくとも自覚症状として
僕は子供の頃 もっと達観して冷めていてクレバーで そしていじめられていた
そうするのが一番簡単に何もかもが終わるまで持ちこたえる方法だって
知っていたからさ わかっていたからさ それは今も変わらない

「そう」
特別でありたい願望を無視されて君はすこし不機嫌になる
それは子供の様に なんという情熱と律動
それは80年代にフリッパーズギターがもたらした知的クール
それは00年代にリバイバルされたバンドブームの狂騒ブルー
反動と言うにはあまりにも直線的すぎる妄想

「そんなもんだよ」
ああああああもう
なんて熱量を隠しているんだい
表情を変えない君の上まつげが細かく震えているのが最高に最高に
ああああ君はなんて可愛いんだ可愛いんだ可愛いんだ可愛いんだ可愛いんだ

「・・・・・・」
あああああそうだね不機嫌になるんだね 静かに怒るんだね
たまらない、たまらないよ 君は最高にキュートでセクシーだ

「どうしよっか」
こんなに可愛くて怒っていてクールな演技をしてイライラしてる君と
おいしい料理を食べたらきっと死ぬほどおいしくておいしくて死んでしまう

「・・・・・・帰る」
もうもうもうもうもうもうもう

「んー」
ああああああああああああああ

「帰る」
凄いよ 本当に凄いよ
本当に本当に

「大好きだよ」
ああああああ

「・・・・・・何食べよっか?」
あっあっあっ・・・・・・ああああ本当に君は君は
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by HALinNT | 2009-03-08 01:34 |