「ほっ」と。キャンペーン

<   2011年 03月 ( 1 )   > この月の画像一覧

蕨式輪転型映写機

あれは高校生の時だったから 確かまだ90年代と
後に言われる時代だったと思う
9月の真ん中くらいで
こんな時間でも教室の窓から 夕日がギチギチを捻じ込んでくる
たぶん そのぐらい の 時

僕はいつも通りに 5色ルーズリーフの黄色を
鉛筆で黒く塗りつぶしていたんだけど
いつもなら僕が急に叫んだりするから、一人きりなんだけど
なんか今日に限って上手く叫べないせいか
君がまだ机に居座ってカリカリと音を立ててるんだけど

夕日が持ってきたギチギチで
僕には左斜め前に座っている君の右の頬と右の手首から先と右の膝から足首まで
それだけしか見えてないんだけど
あんまりにも傍若無人な肌色が気味悪くて
僕は自分の手の変わりに、黄色のルーズリーフを塗りつぶしている

夕日はあっという間にギチギチの最後を投げて
このまま暗くなってくれれば、僕が塗りつぶす手間を省けるんだけど
あのアイツはこれでもかとパチンパチンと音を立てて
僕の塗りつぶす仕事を増やしている

コイツまだ僕の教室に居座るつもりか!

本当は今日僕がする仕事は、カーテンにぐるぐるに巻きつかれてその中で
オイオイ泣いて べったりと跡をつけて
また明日の朝それを見てオイオイ泣くことだったり
クラスで3番目に可愛い子の椅子に全裸で座って、「ハイ!」って元気に手を挙げたりする事なのに

コイツまだ僕の教室に居座るつもり!
どころか!
僕の後ろにヌラリと立っているじゃないか!

「ねぇ、アンタ何してんの?」

僕はボキリと鉛筆を折った、折ってやった!
僕の教室だぞ!僕の教室だぞ!僕の教室だぞ!僕の教室だぞ!

「ねぇ、アンタ何してんの?」
なんだよコイツ、バカなのかよ
僕、今日はちゃんと服を着てるし、いつものダサいメガネだし、死にかけの猫も鞄の中で今にも途切れそうな鳴き声あげてるし


「黒く塗ってるの?」
あ、わかった こいつ僕の教室を獲ろうとしてるんだな
なるほどなるほど合点がいった

「うぼええええええええええええええええええええええええ!!」
思いっきり吐いてやった

そしたらコイツは僕の頭をぎゅうぎゅうと締めて 大丈夫?大丈夫?とか言ってくるんだけどこの程度でギブするわけ無いし(笑)



目を開けると

いつものロッカーの中だった。

閉じ込められているうちに、寝てしまったらしい

慣れたもんだ



ところで僕は不登校でほとんど学校には言って無かったんだけど
これはいつの誰の記憶なんだろうか?
[PR]
by HALinNT | 2011-03-18 22:58 |