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熱量的無限大

君の熱はゆっくりと無害なものになる
指先はカサカサと中空を惑い
言葉は喉の奥でただの呻き声にされ
見知らぬ誰そ彼そに自分を尋ねては
曖昧な苦笑いだけがファイルされていく

びょう と風が吹けば、その熱は
更に意味合いを奪われていく
ヤブ睨みも手馴れた姿勢だと虹彩が
ゆらゆらと最後の陽炎を宿している
凡庸な苦痛だけが包帯を求めている

朦朧とさせ巫女の祝詞を口走るような
その温度を持ち合わせていた筈なのに
如何にも何一つ焼け死んではいないのは

錯乱とさせ蛭子の産声を響かせるような
その宿業を背負わされていた筈なのに
如何にも唯一つ灰だけしか掴んではいないのは

あまりにも単純で本能に近い話
燃やすべきものを手放しているからだ

知らぬ間に
嘔吐する溶岩が人を殺すのなら
それを自覚する奴隷だけが誠実でいられる

暗い暗い夜に
溢れ出すコロナが人を殺すのなら
それを知覚する傀儡だけが本当でいられる
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by HALinNT | 2011-07-15 01:13 |

シシノシ

冬の花火の様に
そのビー玉の瞳は反射と点滅をくり返している
何もかも砕けぬものは無いと
その牙は声高らかに唄っている
か弱きモノ共よ 耳を塞げ
雄叫び 一閃
赤く小さな炎など煙になる
永劫不滅の鋼よりも
しなやかに強靭なこの体躯
朽ちることなど 動かぬことなど
その程度の真実など か細い嘘と変わらぬ

夏の貧民窟の様に
末端から黒く染まり 蛆の母親になる
これがもしまだ薄ら寒い
春の出来事であったのなら
いかにもな芋虫一匹となれたのに
そもそも もそもそ
そうであったのなら愛しきこのこれが
おぞましいもろもろの餌になど
なることもなく伸び伸びと離れ
朽ちることなど 動かぬことなど
その程度の本当など 一度の嘘で書き換わる

蜜月と呼ばれていたのだろうか
あるいは全てから忘れ去られていたのだろうか
肺の奥には忘れ得ぬ
道しるべと踊る 青白い火が灯る
偉大な獣はがらんどうになった
ガラスの少女はさなぎになった
それに抗う様に
そうであるが故に
瞳は全ての星をその中に宿した
犬歯は全ての意味をその先端で裂いた

細い細い針の様な嘘でさえ
現実を簡単に打ち砕いていく
そのたった一撃の嘘でさえ
真実を完全に書き換えていく
そのたった一撃の嘘だけで
本当を飲み込んで飲み干して
意志だけが言葉を嘘にする
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by HALinNT | 2011-07-07 23:06 |