「ほっ」と。キャンペーン

追憶クイジナート

終わる色 いつも同じ色
2色で飾った砂嵐に見入っては
どこかいつか読んだ感情で装う
悲しい苦しい 悲しい苦しい

夜明けは傍若無人に
新しい陽光を投げつけて
窓ガラスは割れる 乱反射して笑う
何かに似ている 何かに何かに

もうそれは見えない もうこれも見えない
つんぼの犬が蹲り吠え吠え
鏡と目が合って どこが奇形かだなんて
こんなやり方じゃ判らない

笑う姿と嘘をついては
嘆く姿を嘘をついても
昨日と今日と明日は
冗談以上の目隠し作用で
滞りなく 重なっていく

どこからはじめた理由で この嘘なのか
一切思い出せない
なにから逃げる根拠で この嘘なのか
一切思い出さない

まるで目の前を無遠慮に
カラカラと転がる時計は
砕けたガラスが踊っている様だ

ガラガラと橋から見える
あの切り刻む時間の流れは
反射の思惑に 何を投げる 投げた

この体は1モルの理想気体で作られていて
別れ別れになる私と私と私達

手を振ることを
忘れていたよ
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# by HALinNT | 2011-09-03 23:56 |

熱量的無限大

君の熱はゆっくりと無害なものになる
指先はカサカサと中空を惑い
言葉は喉の奥でただの呻き声にされ
見知らぬ誰そ彼そに自分を尋ねては
曖昧な苦笑いだけがファイルされていく

びょう と風が吹けば、その熱は
更に意味合いを奪われていく
ヤブ睨みも手馴れた姿勢だと虹彩が
ゆらゆらと最後の陽炎を宿している
凡庸な苦痛だけが包帯を求めている

朦朧とさせ巫女の祝詞を口走るような
その温度を持ち合わせていた筈なのに
如何にも何一つ焼け死んではいないのは

錯乱とさせ蛭子の産声を響かせるような
その宿業を背負わされていた筈なのに
如何にも唯一つ灰だけしか掴んではいないのは

あまりにも単純で本能に近い話
燃やすべきものを手放しているからだ

知らぬ間に
嘔吐する溶岩が人を殺すのなら
それを自覚する奴隷だけが誠実でいられる

暗い暗い夜に
溢れ出すコロナが人を殺すのなら
それを知覚する傀儡だけが本当でいられる
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# by HALinNT | 2011-07-15 01:13 |

シシノシ

冬の花火の様に
そのビー玉の瞳は反射と点滅をくり返している
何もかも砕けぬものは無いと
その牙は声高らかに唄っている
か弱きモノ共よ 耳を塞げ
雄叫び 一閃
赤く小さな炎など煙になる
永劫不滅の鋼よりも
しなやかに強靭なこの体躯
朽ちることなど 動かぬことなど
その程度の真実など か細い嘘と変わらぬ

夏の貧民窟の様に
末端から黒く染まり 蛆の母親になる
これがもしまだ薄ら寒い
春の出来事であったのなら
いかにもな芋虫一匹となれたのに
そもそも もそもそ
そうであったのなら愛しきこのこれが
おぞましいもろもろの餌になど
なることもなく伸び伸びと離れ
朽ちることなど 動かぬことなど
その程度の本当など 一度の嘘で書き換わる

蜜月と呼ばれていたのだろうか
あるいは全てから忘れ去られていたのだろうか
肺の奥には忘れ得ぬ
道しるべと踊る 青白い火が灯る
偉大な獣はがらんどうになった
ガラスの少女はさなぎになった
それに抗う様に
そうであるが故に
瞳は全ての星をその中に宿した
犬歯は全ての意味をその先端で裂いた

細い細い針の様な嘘でさえ
現実を簡単に打ち砕いていく
そのたった一撃の嘘でさえ
真実を完全に書き換えていく
そのたった一撃の嘘だけで
本当を飲み込んで飲み干して
意志だけが言葉を嘘にする
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# by HALinNT | 2011-07-07 23:06 |

人工塩味料ビニール傘

振り返って笑う笑う
ひっくり返って笑う笑う
あの素晴らしき日々と反芻した花は
いつもちょっとプラスチックの匂い
プラス1 マイナス1
それは足したらゼロだけど

かぶりを振って惑う惑う
雪砂蛙降って惑う惑う
あの失われた過去と綴った爪は
いつもちょっと焦げている匂い
マイナス1 マイナス1
それは掛けたら1だけど

聞こえている、聞こえているよ
の声でもう聞こえない
解っている、解っているよ
の君ともう解り合えない
知っている、知っているよ
の棘はもう忘れられない

毎日バケツ1杯の
海の水を飲み干している
汗はいつもより塩辛い
7が3になるまで飲み干して
プラス1 プラス1
それは引いたらゼロだけど

嘘でできてる 嘘で呼んでる
0 0
それは掛けたらゼロだから
それは割ったら誰も知らない
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# by HALinNT | 2011-06-24 22:52 |

散硝、剥芯

水のガラガラと流れる音だけが
僕に川の存在を教えていて
あるいは光なんて一切無いまま
その前で手を開いて閉じて
見えないのに見れないのに
いまこの手の姿が見える様に

誰も探していない
僕を探していない
手の形だけがハッキリとしていて
真夜中な庭で鼓動してる
サーチライト群 どこへ消える
言葉は手ほど見えないから
サーチライト群 なにを消した
僕は手ほど存在しないから

もう二度と 君の瞳が
曇り空を埋め尽くす事は無いのだね
子宮の中はもう少し明るかっただろうか?どうか?
棺の中はもう少し暖かかっただろうか?どうか?
ゆっくりとだけど、僕の思い出は
浮かんでは流れて 揺れては割れて

本当に蟻の巣よりも真っ暗な場所で
手を開いて 閉じて 指を曲げて
わかることと わからないことの
境界線なんて元々僕の輪郭状
いま前の手だけがわかる わかる

照らされていなければ曖昧なままで
サーチライト群どこで消える
音だけがいやにハッキリと見える素知らぬ国で
サーチライト群どこかで瞬いていて
影を追ってもそれは 僕の影

もう一切の君の目は
雨に似て降り注ぐことは無いのだね
今まで光の軌道は滑らかだったのだろうか?どうか?
これからの何も見当たらない旅は終わらないか?どうか?
ゆっくりとだけど、僕の指はきちきちと音をさえずって
ひび割れては裏返って 粉微塵になっては嘲笑って
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# by HALinNT | 2011-06-05 23:55 |

か細く軟体、三寸より

うわうわと漂っている 生き物だろう
体のありとあらゆる穴から
それは もう 毛穴 ぽっかりと空いた
心の穴にも潜り込んで ぐねぐねと

ちらりとも会ったことの無い人物の
吐露が 無軌道に
うひうひと漂っている 生き物だろう

目を開けば 誰そ彼そ
幾千もの のたうつ体躯の隙間から
こぼれる明かりを確かめて
今が夕闇で無いと間違える

瞬き合う 嘘と嘘
真実の口いっぱいに 逃げ道を探して
名前を忘れた人物の
発露が うねりながら 空間 泳ぐ
うねうねとどどどっと詰め込まる 生き物だろう
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# by HALinNT | 2011-05-02 22:19 |

君とゲーム

ごはんも食べたし
雨だから出かけるのも面倒で
お話にも少し疲れたし
雑誌は何十回もめくったし

カードゲームでもいい
ボードゲームでもいい
もちろんテレビゲームでもいい

おしゃべりよりも、もうちょっとだけ
君の事が解りそうな気がする
君とゲーム 君とゲーム

負けずギライな僕と
負けずギライな君と
にらみ合っては
さぐり合っては
わらい合っては
くやしがっては

明日晴れたらビデオを借りに行こう
明日晴れたら本屋にも行こう
明日の夜は少し早く寝よう

でも今日は でも今日は
カードゲームでもいい
ボードゲームでもいい
もちろんテレビゲームでもいい
本気でしりとりでもいい

おしゃべりよりも、ほんの少しだけ
君の本当に寄り添える気がする
君とゲーム 君とゲーム
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# by HALinNT | 2011-05-01 22:56 |

災禍ドール

小さな針が 溝に落ちて
踊る為だけのシャンソンが流れるの
ねぇ 今夜もいつもと同じ様に
ねぇ 悪い言葉だけ呼び鈴鳴らすの?

赤い畑を走る ぴかぴかのバッチ
私に向けて夜鷹はカン高く鳴くの
ねぇ 踏み潰された苺が
ねぇ もう境界線は無いのね?

ああ 生きてもいないのに
 こんなにこんなに 煩わしいなんて
ああ 死ぬこともないのに
 こんなにこんなに かなしいなんて

ざわめきはささやきの一歩手前
乱数は禍々しさの半歩手前
人形は人間の 人間の?人間の?

キラキラの檻にいた頃は
誰もが私を指刺していた
痛かった 痛かった
でも私は だって私は

今は誰もが私を畏れて
恐がって 恐がって
だって私は でも私は

ああ こんなにも煩わしいのに
  生きない生きないないなんて
ああ こんなにもかなしいのに
  死なない死なないないなんて

ささやきはざわめきに戻らない
禍々しさは乱数に戻れない
人間は人形に 人形に?人形に?
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# by HALinNT | 2011-04-14 22:44 |