熱量的無限大

君の熱はゆっくりと無害なものになる
指先はカサカサと中空を惑い
言葉は喉の奥でただの呻き声にされ
見知らぬ誰そ彼そに自分を尋ねては
曖昧な苦笑いだけがファイルされていく

びょう と風が吹けば、その熱は
更に意味合いを奪われていく
ヤブ睨みも手馴れた姿勢だと虹彩が
ゆらゆらと最後の陽炎を宿している
凡庸な苦痛だけが包帯を求めている

朦朧とさせ巫女の祝詞を口走るような
その温度を持ち合わせていた筈なのに
如何にも何一つ焼け死んではいないのは

錯乱とさせ蛭子の産声を響かせるような
その宿業を背負わされていた筈なのに
如何にも唯一つ灰だけしか掴んではいないのは

あまりにも単純で本能に近い話
燃やすべきものを手放しているからだ

知らぬ間に
嘔吐する溶岩が人を殺すのなら
それを自覚する奴隷だけが誠実でいられる

暗い暗い夜に
溢れ出すコロナが人を殺すのなら
それを知覚する傀儡だけが本当でいられる
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by HALinNT | 2011-07-15 01:13 |